エレクトロスプレー法

産総研における技術開発の経緯

エレクトロスプレーめっき加工技術開発の経緯

当社代表は、長年、産総研でエレクトロスプレーを応用した研究開発に取り組んできました。ここでは、エレクトロスプレーめっき法のベースとなった反応場の設計に関する研究開発について紹介します。 

反応場の設計(フェムトリアクター)に関する研究開発

エレクトロスプレーの特徴は生成した極微小液滴が電荷を有していること。このため、電場で動きを制御することができます。

ノズルと対向電極の間で形成された扇型の電場に沿って、エレクトロスプレーの移動が観測されます。

正、負の電位を与えたノズルを対向させると、ノズル間にラクビーボール状の電場が形成され、電場の中央で、正、負に帯電した液滴が衝突・混合します。即ち、極微小液滴で二液混合ができる反応場となります。
 液滴の直径が約1マイクロメーターで体積がフェムトリットルのオーダーとなることから、フェムトリアクター®としました。
(フェムトリアクターは産総研の登録商標です。)

反応場(フェムトリアクター)の設計例: 液-液界面反応場

導電性のないパラフィン系の液体などを用いると、液中でもエレクトロスプレーを発生させることができます。
図のように有機相と水相の2相分離系の有機相から界面に向かって塩化金酸溶液をエレクトロスプレーします。塩化金酸溶液の極微小液滴は界面で水相の還元剤と素早く反応し、金ナノ粒子を生成。同時に水相の分散剤は金ナノ粒子コロイドを形成し安定化します。

界面を反応場とする金ナノ粒子の合成(動画):印加する電圧の大きさでナノ粒子のサイズ制御が可能。
左:電位差が大きい場合には2~5nmの金ナノ粒子が生成
右:電位差が小さい場合には30~40nmの金ナノ粒子が生成

金属ナノ粒子の合成を糸上で連続制御 ⇒ めっき膜の成長

液-液界面での金属ナノ粒子の合成反応を、糸上で行っているのがめっき加工です。高速で移動する糸の周囲にエレクトロスプレーノズルを配置することによって、糸上で素早く2液を混合し、これを連続して繰り返すことでめっき膜を成長させています。